ビジネスバッグを軸に企画力で勝負2017.03.30

各種かばんの企画・製造を手掛け、ビジネスバッグの自社オリジナルブランド「バジェックス」シリーズほか、現在500アイテム以上を揃える株式会社ウノフク。1921年に旅行具を卸売する個人商店として創業し、地元豊岡の職人が編み上げた柳行李を中心に販売していた。やがて取引先の問屋から低価格化への要求が強まり、卯野隆也さんが社長を継いだ1997年以降は安価な輸入商品が3~4割を占めた時代もあったという。

「ところが最近は再び豊岡でつくった商品が増え、ここ数年で以前の倍の取扱高になりました。販売力が高い小売店へ販路をシフトするのに伴い、豊岡産かばんのニーズが高まったことに加えて、私どもとしても特徴を出せるというメリットがあります」 中でも卯野さんが力点を置いたのが、他社が当時まだそれほど主力にしていなかったビジネスバッグ。その判断が奏功し、今では売り上げの多くを占める。また、少しカジュアル路線に切り替えて企画した「クルマと旅するカバン"レクシアード・ジェイピー"」は、車好きという社長のアイデアが形になった。そんなウノフクの次なる一手として卯野さんが見据えるのは、海外販路の開拓だ。

「国内マーケットは今後縮小が予想され、今のうちに行動を起こさなければなりません。これまで日本人が企画して豊岡で製造したかばんを、そのまま海外で売ろうとしてきましたが、やはり限界がありました。そこで、フランスのデザイナーに依頼して、2016年9月から新たに取り組み始めたところです。日本発の商品であることを意識してもらえるよう、ブランド名は社名を活かした『UNOFUKU』にしました」
まずは1つのシリーズが完成し、海外を意識したウェブサイトの製作にも着手。当面はフランスのデパートなど、ヨーロッパのマーケットで着実に実績を築くことが目標という。一方で国内の小売店への販路も広げるため、2013年に東京事務所を立ち上げ、2017年には京阪神エリアの拠点となる神戸事務所も開設した。
「今後は衣料品店や靴店といった、かばん専門店以外へも展開していきたいですね。現在計10人余りの営業担当がいますが、その一員となる若い方の活躍を期待しています。特に東京事務所は現在、責任者を除く4人すべてが20代と若く、フットワークが軽快。新しく入社していただいた場合も、豊岡での研修を経て東京事務所で経験を積んでもらう予定です」

営業が顧客の要望を聞いて企画立案し、本社の商品部と一緒にアイデアを練りながら形にしていくのがウノフクのスタイル。場合によっては営業担当が豊岡の職人と直接掛け合い、プロデュースすることもある。大手小売りチェーンをはじめとする実店舗に加えて、鉄道会社などの業務用かばん、通販雑誌やギフトカタログなど、ターゲットが幅広いのも特徴だ。これからさらに企画力・デザイン力を磨き、強みであるビジネスバッグを核に国内外での販路拡大を目指す。

企業情報

株式会社ウノフク
  • 住所〒668-0871 兵庫県豊岡市梶原328番地
  • 電話番号0796-23-1155
  • FAX番号0796-24-7800
  • 代表者氏名卯野 隆也
  • 創業大正10年
  • 設立昭和50年
  • 主要業務鞄製造卸
  • 従業員数29人(パート含む)

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